メーカーが製造する9mmゲージ鉄道模型の完成品は、価格をある程度抑える目的からパーツを共用化するケースは少なくありません。しかし蒸気機関車のように形式・時代ごとに外見が大きく異なるものは、当然専用パーツを奢って個性化を図る商品戦略が取られます
当然価格は上がりますが、蒸気機関車の顧客層は購買力が高いのでさほど問題にならないのかもしれません。そういえば、蒸気機関車のスターターセットはいよいよ風前の灯ですね
一方で入門者、年少者向けの車種といえばなんと言っても新幹線電車です。現行販売されているスターターセットの半分近くは新幹線電車のセットですし、速くて大きな(ミニ新幹線だってそれなりの大きさです)新幹線電車は子どもにとって無条件にかっこいいものです。ですから『シンカリオン』のようなアニメが作られ、人気も高いわけです
メーカーとしても新幹線電車は幅広い層に販売するわけですから、価格面でもかなりがんばっています。車両セットも3両で10,500円とかですからね。高いといえば高いんですが、9mmゲージ鉄道模型の中ではかなりがんばっているほうだと思います
そんな中で、さらに各メーカーが新幹線に力を入れているというのが伝わってくるのが連結面です
在来線だとアーノルトカプラーやTNカプラー、KATOカプラーといった各車両共通のカプラーである程度統一しているのですが、新幹線の場合専用のカプラーをわざわざ開発しているわけです
この場合妻面のディテールは犠牲になりますが、それ以上に連結面には大事なものがあるというのが各メーカーの見解のようです
それは外幌。新幹線電車の場合空力的な事情から、連結面間には外幌が装備されます。ごく初期に発売された学研・エンドウ・カトーの新幹線電車を除いて、新幹線電車の9mmゲージ鉄道模型には「ほとんど」すべての車両に外幌の表現が多かれ少なかれ表現されています
TOMIXの100系はかなり古い製品ですが、それでも外幌らしく見えるような連結ギミックを考えていることがうかがい知れます。しかも最近のカトー製品では伸縮機構を装備して、狭い連結面と外幌を実現しつつも、R249やR216をクリアするという驚くべき性能を見せます
在来線電車にも転落防止用に外幌はついていますが、それを再現しようという動きは見られません。精々JR西日本の電車に装備されている先頭車用の外幌どまりです
このような新規開発を精力的に行いつつも、蒸気機関車のように高価格商品にはならないのは、それだけ新幹線電車の模型が売れる(のかな?)からだと思いますが、実に不思議です
まあ、新幹線好きとしてはメーカーが力を入れてくれるというだけで実にありがたいことですが。再生産も割りと頻繁にしてくれるしプレミア価格にもなりづらいですしね