※Tumblrで書いたエントリの転載です
新幹線電車のカタチをみるときは、頭の中で輪切りにしてみていくと、その意図がわかります
日本の新幹線電車の場合微気圧波対策は欠かせないので、そのためにああいった妙な形の流線型になるわけですが、その際は断面積の変化をできるだけ一定にするといいとされています
スタイルを一切忘れてこのように断面積のグラフにすると、それなりにシンプルな流線型であることがわかるかと思います。
ただ、E4系がちょっとばかり折れ曲がっていますが、このあたりから「最後尾になった場合の整流」を考慮し始めたことと、運転士の視界確保という考えかたが生まれたためです
できることならE4系ももう少しなだらかな断面変化にしたいのですが、運転台が飛び出ないと側方視界があまりよろしくないため、E4系以降は多少の断面積変化がいびつになることを容認した上で、運転台を飛び出させているわけです
で、運転台を飛び立たせたとはいえそれなりに断面積変化を緩やかにしたいという考えから、側面をえぐったり中央を盛ったりして「つじつまを合わせている」というのが、E6系のあのややこしい流線型だったり、E5系の天狗みたいなノーズの正体というわけです。一方で運転台のない超電導リニア、L0系はシンプルな流線型を取れるのです
21世紀の新幹線電車の流線型は、運転台にその形が支配されているという観点から眺めると、いろいろ面白いと思いますよ? N700SもALFA-Xもそのへんを頭の片隅に入れて流線型を眺めてみると、いろいろ見えてくるものがあります
出典:新幹線テクノロジー(佐藤芳彦/山海堂)