9mmゲージ鉄道模型は、コンパクトなスペースで電車の運転を楽しめるのが売りです。それこそテーブルの上でも楽しめる。じっさいコンパクトで素晴らしいレイアウトを作ってる方もたくさんいるわけです。
しかし、そういった思想とまったく相容れないのが新幹線電車。カーブも踏切もない専用の軌道を200km/h以上でかっ飛ばすんです。テーブルトップの小さなプランで走らせても似合わないんじゃないかな…。そう思っていた時期が俺にもありました。
いやまてよ。新幹線ったって太くてたくましい奴ばかりではない。秋田へ行くアイツなんて大きさは在来線と変わらないじゃないか。なら、テーブルトップで新幹線、いけそうじゃないですか!
そんなわけで、我が家のミニ新幹線、〈パースーまちこ〉さんにテーブルトップを走ってもらいました。
テーブルの大きさは890×590mm。TOMIXのレイアウトボードとほぼ同じサイズと考えてください。ただのエンドレスでは面白くないので外周に引き上げ線を用意しています。内周のエンドレスはR249、外周はR282です。メインをR282とするとテーブルの余裕がまったくなくなるばかりではなく、直線区間もさらに短くなってしまいますのでR249をメインとしています
メーカー推奨の通過半径は、ミニ新幹線がR282、フル規格はR315となっていますが、両方ともR249を曲がることは可能。すくなくともKATOのE6系とE2系1000番台は曲がります。もちろん自己責任で。メーカーに問い合わせてはならない事項です(問い合わせたって「推奨半径で遊んでください」以上に言えるわけがないじゃないですか!)
大体こんな感じ。気動車の2両つなぎがよく似合います。
ここに新幹線電車を走らせるとどうなるか。まずはE6系の基本セットから。
案外悪くないバランスだと思いませんか? テーブルトップで新幹線の夢が近づきます。それでは行きましょう! 7両フル編成!
お…おう。いや、大丈夫大丈夫。なんとか遊べそうじゃない!
引き上げ線にも(ギリギリだけど)7両入るし! 大丈夫遊べる遊べる!
ホームは1両分しかないけど、ほら、そのためにDコックってあるわけだし…北大曲駅なんてまさにこんな感じの駅じゃない。え? 〈こまち〉は北大曲に止まらないって? じゃあ通過しろよ!(逆ギレ)
……まあ「多少の」無理はあれど、テーブルトップで新幹線電車を遊ぶことは可能だ! ということはお分かりいただけたかと思います。9mmゲージ鉄道模型は小さなスペースで楽しめることが身上。ならば多少のアレやそれは目をつぶって、つぶりすぎて見えなくなったら心の目を見開いて楽しみましょう。
いや、いろいろ茶化してはいますけど、7両つなぎはともかく4両つなぎくらいで楽しむ分にはわりと「あり」だと思いますよ俺は。実際、心の目でアレコレすれば、フル新幹線だって遊べないことはないんですよ。
E2系1000番台基本セットをテーブルトップに配置。ブックケースをエンドレス中央において比較してみましたが、どれだけ狭いスペースで遊んでいるかがお分かりでしょう。これが9mmゲージ鉄道模型の醍醐味です。醍醐味なんですから多少の苦味は受け入れましょう。4両だっていいじゃないですか。0系や100系は4両つなぎで走ったことがあるんだし。
……夢の世界を楽しむには、分不相応な夢を見ないことも大事なんですよ?
どうしてもフル編成、という向きにはBトレの新幹線が案外お勧めです。急カーブを曲がるにしても全長が短い分自然なので、上の写真よりはずっとかっこいいです
ただ、Bトレをフル編成&動力化すると、KATOの新幹線フル編成の価格に近づいちゃうのもまたたしかなわけで、限られた予算でどっちを買うか悩むところですね。
個人的には0系R編成あたりをBトレで揃えてみたいですが……売ってねぇ。