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サマンサのおもちゃ箱

趣味の話ばかりになってきたので改題。模型やおもちゃや実車など、鉄道にかかわるそんな話をつらつらと。好きなジャンルは民鉄と新幹線ですが、最近は新幹線成分が多めですね

美しいことと好きになることと

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美しいことと好きになることと


 N700系のエアロ・ダブルウィングと命名されたノーズは、できるだけノーズを短くしつつかつ高速でも騒音を低減できるノーズとして開発されました。
 N700系のノーズは航空機の尾翼部分を意識したデザインとなっていんですね。両側に膨らんだ部分は水平尾翼、運転台を垂直尾翼と見立てればおおむね役割的には適合します。車体に張り付いたおよそ80㎜の空気の層が車体最後部で引きはがされるとき、空気が渦を作って車体を振動させるんだけど、こいつのせいで最後尾の車両は振動が半端なくなるのでノーズの部分で整流する必要があるんですよ。なもんでこのような形となったんですね。
 また、先頭車になった場合はエリアルールを適用し、立ち上がり部分を除いて断面積の変化を一定として微気圧波、いわゆるトンネルドンを抑える形状となってます。本来は一直線に屋根まで伸びる楔形の流線形がいいに決まっているんですが、運転台があると楔形の流線形ではそこだけ断面積変化がいびつになる。そこで運転台の下部をえぐってつじつまを合わせるんですね。N700系だろうがE7系だろうが、運転台の周辺がえぐれている理由は微気圧波対策です。
 そう、運転台をなくしてトンネルなどの断面を大きくとれば、こんなややこしい流線形にする必要などないんですよ。そしてそんな理想の形を実現した車両は実は存在します。
 超電導リニア、L0系。
 L0系には運転台がない。なので断面積変化は屋根まできれいに一定に造れます。つまり滑り台のようなシンプルな流線型で正面を作ることができるわけ。エリアルールにおいて先端部は特にとがらせる必要はなく、正面から側面に流れるカーブを緩やかに描けばいい。空気が剥離するのはエッジのきいた角なので、そこさえ気を遣えば先端は丸妻で十分です。
 しかもL0系は両側を超電導磁石の柵でカバしているので、ボディマウントと同等の効果を得られるんでこの点も有利です
 そして超電導リニアは最後尾についてもシンプルな形で構わない。なんとなれば車体の両脇にある超電導磁石が車体を常に中央に保持するため、空気による揺さぶりを抑えることができるんですよ。したがってN700系のような尾翼構造も不要です。
 もちろん超電導リニアに架線はないので屋根も平滑にできますね。あの武骨なパンタカバなど必要ないんです。
 このようにL0系は空力的にはとても理想的なデザインがなされており、また機械はシンプルなほど良いという俺の考えにもベストマッチするんです。
 じゃあサマンサお前はさぞかし超電導リニアL0系がさぞかし好きなんだろうな、と言われれば、システム的にはすげーと思うんだけどそのスタイルが好きかといわれると……微妙。N700系は本当に心の底から「好き」といえる(だから16両つなぎの模型まで買ったのよ)んだけど、L0系は別に模型を買わなくてもいいか……という感じ。
 空力的に大正義で優れたデザインなのは認めるけど、自分の中でまだ「運転台のない電車」というのが認められないんじゃないかと思ってます。ゆりかもめやシーサイドラインも無人運転だけど、運転台そのものは残っているんですよ。だからあれは「電車」として納得できるんですけどね……。
 運転台のない電車が当たり前になれば、L0系は違和感なく電車として認められるのかもしれないけど、運転台があるのが当たり前の環境で育った俺は、運転台のない電車はなんか、首のない人間を見ているようで落ち着かないんですよね。
 もちろん落ち着かないだけの話で、デザインとしてみれば素晴らしいんですけど。
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プロフィール

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サマンサ
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男性
自己紹介:
電車バカのサマンサです
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