1974年に発売されたヨネザワのダイヤペットシリーズ。栄えある品番R1を飾っているのがこの東海型電車です。クモハ165+モハ164の2両セットで、製品にはほかに展示用の線路が付いています。ゲージは9mmで、画像のように9mmゲージの線路にも乗ります。また、台車はねじ止めて回転するのでカーブにも追随します。これは「可動パーツをできるだけ減らす」という玩具の原則に一見もとる部分ですが、ヨネザワ側としては9mmゲージ鉄道模型の線路で遊んでもらうことを意図していたらしく、そのためには車輪の回転は必然だったようです
さて、この玩具のコンセプト、実はよくわかりません。ダイヤペットシリーズはこのように先頭車+中間車の2両セット。この売りかたはたとえば『Bトレインショーティ』なんかでも見られるわけで別段おかしいものではありません。
ではたとえば、2セット買って背中合わせに4両にして楽しもうと考えたとします。
できないんですこれが
連結器がいわゆるピンを穴に入れる方式なので、逆向き連結ができないのです。それなのにああそれなのに逆向きのクハ165は売っていないのです。何でこんな売り方をしたのかまったくの謎です
ただ、台車はねじ止めなので先頭車の台車を前後入れ替えることで一応編成にはなりますが、ユーザーにそこまで求めていいものでしょうかね……
さて、全体の印象は色のおかげでちゃんと東海型ですし、正面の造型もマイクロエースの401系を思わせる平面ヅラですがなかなかがんばってると思います。ただこの側面は165系というよりは80系ですよね……。そして正面のライトに銀をおごる余裕があるなら、正面窓のピラーと幌にも銀を入れてほしかったなと。マスキングは1枚ですむわけだし。このあたりもなんだか詰めの甘さを感じますね。そこがまた味だとは思いますが
ところでこのダイヤペットにおいて、スカートって必要だったのかな? というのは
台車の連結器とスカートが干渉しちゃってるんですよ。これは完全な設計ミスだと思うんですが、豪快にそのまま出荷してるあたりおおらかだなとほほえましくなります。製品として考えた場合、台車の連結器をカットするというやり方もあると思いますが、そうするとラインが1工程増えるのであまり得策ではありません。であればスカートはいらなかったんじゃないかな? と思うのですが、ヨネザワの企画者はスカートにこだわりを持っていたんでしょうかね?
今見るとその緩さがたいへんほほえましい東海型ですが、当時これを980円でサマンサ少年が買ったらどう思うかなあ……