ニシキのダイカスケールは、昔は駅の売店や玩具店で見かけるごくありふれた玩具だったのですが、現在は
通販サイトのほかではあまり見かけることがありません。首都圏で確実に入手できる場所は、東向島の東武博物館くらいしかないと思います
東武博物館にはどういったルートでおろしているのかわかりませんが、東武博物館に並べる以上は東武の車両も必要だろうということで、100系〈スペーシア〉と200系〈りょうもう〉、そして8000系の「ようなもの」がラインナップされています
今回はその中で、100系〈スペーシア〉についてご紹介します
現在東武100系は『粋』基調、『雅』基調、『サニーコーラルオレンジ』、『日光詣』の4色が運行されています。これに加えて現在では見られなくなった旧塗装を合わせて5パターンの塗装を〈スペーシア〉はまとったことがあるわけです
ダイカスケールでも東武博物館で発売する以上は全色そろえなければという思いがあったのか、すべての色が揃っていますし『日光詣』が登場したときもいち早く製品化していました
俺は『粋』基調と『サニーコーラルオレンジ』を持っていませんので、上の画像は右から『旧塗装』、『雅』基調、『日光詣』となっていますが、いちばん奥の塗装はいったいなんでしょう。少なくとも『サニーコーラルオレンジ』ではありません
実はこれ旧塗装から黒帯が抜けた車両なんです。一見エラーにも見えますがエラーではありません。奥の旧塗装が出る前、手前の黒帯抜きで売られていた時代があるのです
実は、
トレーンの〈スペーシア〉が黒帯抜きで発売していたのです。トレーンがどういった理由で黒帯を省略したかはわかりませんが、黒帯を省略していたのです。自分はトレーンは集めていないのでAmazonからの画像を転載しますがこんな感じです
おそらくダイカスケールの〈スペーシア〉は、トレーンのスペーシアを参考に造ったのではないかと推測しています。その後東武博物館でも取り扱って、正式に東武鉄道の承認を取る段階で本物に合わせようとして黒帯を入れるようになった、そう推測しています。もちろん黒帯抜きの旧塗装はダイカスケール・トレーンともに現在絶版になっています
ただ、ダイカスケールがそのままトレーンをコピーしたかというと決してそうではないのが面白いところで、トレーンは6号車がモデルなのに対し、ダイカスケールは1号車がモデルなんですよね。ダイカスケールは小窓がひとつ多いのがわかると思います。つまりここはトレーンではなくあきらかに実車を参考にしているんですよ
なぜ実車を参考にしながら、塗装はトレーンに倣ったのか、そこが不思議でなりません
そして現在は東武博物館である程度の販売が見込めるならと、塗装表現は実車に倣っています。もちろん東武鉄道の監修もあったと思いますし、博物館で考証がいい加減な玩具を売るわけにも行かないでしょう。現在のダイカスケール・トレーンはいずれも玩具としての水準に達しています
シンプルながら印象把握はまずまずで、眺めていても実に楽しい〈スペーシア〉たちです