「基本無料」の電車話は読んでいてさっぱりわからんというおしかりをいくらかいただいているので、軽い電車話も今後は入れていこうかなと思う。ライト電車略して「ラ電」。
で、最初のラ電はTumblrにも少し書いた「籠原症候群」について書いてみようかなと思う。
電車の行き先は、鉄道マニアに限らず電車を利用する人はなにがしかの関心を持って観察すると思う。この電車がどこまで行くのか、目的地にこの電車は停まるかなど。
川越に引っ越して間もないサマンサ少年は、大宮駅で中電がやたら「籠原」という行き先を出しているのを見て「籠原ってどんな町だろう」と想像していた。高崎はまあ、群馬県のでかい町という程度の知識はあったので高崎行きがあるのは理解できる。新前橋行きは県庁所在地の前橋ってつくくらいだからそりゃでっかいとこなんだろう(実際はまあ……アレだけど)。
じゃあ籠原は?
「この電車は籠原で4両を切り放します」だとか「禁煙区間は籠原まで」だとか高崎線に乗ると「籠原」がちょくちょくキーワードに出てくる。グーグルの例に漏れずバズワードは重要語。つまり籠原はきっと熊谷や高崎に匹敵する大きな町なんだろう、とサマンサ少年は推測した。
で、籠原に一方的な期待を膨らませて高崎線の旅客となって熊谷駅を発車。
「まもなく籠原です」
列車を降りて籠原駅に立ったサマンサ少年の、ハトが豆鉄砲食らった顔を想像してみてくださいな。いや〜子供心に思ったわ。
「なんだこりゃ、なーんの変哲もないただの町だ」
別に誰も何も悪くないんだが、一方的に籠原に裏切られた、そんな気がしてしまったんだな。以来この現象を俺は籠原に経緯を表し「籠原症候群」と呼ぶことにしたというわけ。
考えてみれば車庫を造るんだから、家が密集していたら都合が悪いよな。
でも、籠原には一方的な憧れを抱いたけど、東北本線の小金井にはあまり憧れを抱かなかったのは何でだろう。
駅名の字面が、小金井よりも籠原のほうが荘厳に見えたからなんだろうか。
とにもかくにも、俺にとって籠原駅は、忘れられない駅となったのでありました。